第21回障害者問題全国交流会 from 埼玉 参加報告
2021年10月21日(木)にオンラインにて開催された、分科会に参加して来ました。電動車いすの経営者の奮闘記 第4分科会を選びました。
障害者が企業を作り、障害者が中心となり企業を発展させている会社
企業が障害者を採用するのではなく、障害者が企業を作って運営し、利益を出して更に採用のサイクルを続けています。報告者の会社名は、そのものズバリ、株式会社障碍者(かぶしきがいしゃしょうがいしゃ)です。
代表の安藤さんは、18歳の時バイク事故により脊髄損傷の重度障害者となり、車いすでの生活が始まります。安藤さんに貫かれているのは、「自分のことは、自分でやる!」これは、私生活でも会社経営でも、経営の現場でも貫かれています。
私の中で、この分科会に参加するまで、「障害者は守られるもの」との意識がありました。しかし、安藤さんの会社には、採用から業務内容の理解まで「自己選択・自己決定」で決まります。もちろん、世の中すべてでこのやり方は通用しないと思います。安藤さんの哲学があり、それに共鳴したひとがこのやり方を徹底しています。
ピア・サポートの理念
「ピア」とは仲間を意味しています。職場の同僚もピアです。「サポート」とは支援することを意味しますが、専門家によるサポートとは違い、仲間としてよりよくサポートする“仲間力”に基づいたものです。安心・つながり・絆を生み出し、思いやりのある企業風土を創造します。
“ピア”の考え方
- 誰もが、成長する力を持っている
- 誰もが、自分で解決していく力を持っている
- 人は、実際に人を支援する中で成長する
- 誰もが他者をサポートできる存在であり、サポートを受ける存在である
障害者雇用は“特別なこと”ではない
安藤さんの報告、それに続いたグループ討論を通じて感じたのは、“特別なこと”をやっているのではなく、どんな企業にも問題があり、それを解決するとノウハウの蓄積が出来て、さらに高い位置でしごとが出来る、そのサイクルを「自己選択・自己決定」を貫いて実施していることでした。
当社は、測量設計の仕事をしていますが、属性が似た人集まって仕事をしています。
「土木系の勉強をして、フルタイムで働ける、男性」
安藤さんの報告を聞いて、課題を解決していく組織となるのには、多様性が必要、この先、次の変化、その次の変化を乗り越えるのには、様々な可能性を秘めた人材が補い合って仕事を進めていくことであると気付かされた交流会となりました。
(川越地区会/大沼崇)